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かつて新規開拓営業といえば、テレアポが代表的な手法でした。
営業リストを用意し、電話をかけ、担当者につないでもらい、商品やサービスを説明する。営業担当者の行動量が成果に直結する、非常にわかりやすい営業方法です。
しかし現在、テレアポだけで安定した新規顧客を獲得することは、以前より難しくなっています。
理由は明確です。多くの企業では、知らない番号からの電話に出にくくなっています。仮に電話がつながっても、相手がその瞬間に情報を求めているとは限りません。業務中に突然かかってくる営業電話は、相手にとって負担になりやすく、商談化まで進みにくいケースも少なくありません。
では、テレアポの代わりに何をすればよいのでしょうか。
ここでよく出てくるのが、メール営業や問い合わせフォーム営業です。しかし、これも決して簡単ではありません。
テレアポが難しくなったからといって、問い合わせフォームから営業メールを送れば解決するわけではありません。
多くの企業には、毎日のように営業メールが届いています。担当者はすべてのメールを丁寧に読んでいるわけではありません。件名を見ただけで削除されることもありますし、問い合わせフォーム経由の営業メールは、内容を確認される前に営業メールとして処理されることもあります。
特に、まだ接点のない企業に対するメール営業は、開封率や返信率が低くなりやすい施策です。既存顧客向けのメールマガジンや、資料請求後のフォローメールとは性質が違います。
未接点の相手に送るメールは、相手から見れば突然の営業です。電話がメールに変わっただけで、本質的にはアウトバウンド営業です。
そのため、成果を出すには大量の送信、リスト管理、文面改善、配信タイミングの調整、返信対応、再送管理が必要になります。これは人員や運用体制のある大手企業であれば可能ですが、人手が限られる中小企業が同じやり方を続けると、労力に対して成果が見合わない可能性があります。
つまり、テレアポもメールフォーム営業も、一定の効果はあります。
しかし、どちらも基本的には「こちらから探しに行く営業」です。
中小企業が考えるべきなのは、ひたすら数を打つ営業ではなく、必要としている相手から見つけてもらう営業導線です。
営業会社や商社は、これまで人脈、紹介、既存取引、訪問営業、電話営業によって顧客を広げてきた企業が多い業種です。
この強みは今後もなくなりません。
ただし、取引先の情報収集行動は変わっています。
新しい仕入れ先を探すとき。
既存の調達コストを見直したいとき。
特殊な商材を扱える会社を探すとき。
営業代行や販路開拓を依頼したいとき。
地域で対応できる業者を探すとき。
多くの担当者は、まずインターネットで調べます。
そのときに自社の情報が見つからなければ、候補にも入りません。
逆に、必要な情報が整理されていれば、問い合わせや相談のきっかけになります。
たとえば、営業会社であれば以下のような情報が必要です。
商社であれば、以下のような情報が重要です。
こうした情報がサイト上に整理されていないと、見込み客は問い合わせ前に離脱します。
営業力があっても、ネット上で比較された段階で候補から外れてしまう可能性があります。
テレアポやメール営業は、こちらから相手に接触する営業です。
一方、ネット集客は、相手が困ったときに見つけてもらう営業です。
たとえば、営業会社であれば、次のような検索が想定されます。
商社であれば、次のような検索が考えられます。
このような検索をする人は、すでに何らかの課題を持っています。
そのタイミングで自社のページが表示され、サービス内容や実績、相談の流れが分かりやすく整理されていれば、電話営業よりも自然な形で商談につながります。
ネット集客でよくある失敗は、導線が「お問い合わせ」しかないことです。
しかし、まだ発注するかどうか決めていない段階の人にとって、お問い合わせは少し重い行動です。
そこで有効なのが、無料相談、簡易診断、資料請求、見積もり前相談といった入口です。
営業会社であれば、
商社であれば、
といった入口が考えられます。
単に「お問い合わせください」ではなく、相手が自分の課題に合わせて相談できる形にすることで、フォーム送信の心理的ハードルを下げることができます。
SEOやコラムは資産になりますが、成果が出るまでに時間がかかります。
短期的に反応を取りたい場合は、Google広告などの検索広告を組み合わせる方法が現実的です。
検索広告の利点は、すでに課題を持って検索している人に表示できることです。
営業会社であれば、
商社であれば、
といったキーワードが候補になります。
ただし、広告を出すだけでは不十分です。広告のリンク先に、サービス内容、対応範囲、強み、実績、料金の目安、相談フォームが整理されていなければ、クリックされても問い合わせにはつながりません。
広告は、ランディングページとセットで考える必要があります。
営業会社や商社にとって、SNSは直接受注を狙う場というより、信頼形成の場として活用する方が現実的です。
たとえば、次のような発信が考えられます。
営業会社の場合、
商社の場合、
このような情報を継続的に発信することで、見込み客に対して専門性や信頼感を伝えることができます。
SNSは、いきなり売る場所ではありません。
比較検討の前段階で、会社の存在を知ってもらい、信頼を蓄積する場所です。
テレアポやメール営業を完全に否定する必要はありません。
展示会後のフォロー、既存顧客への案内、紹介先への連絡、過去に接点があった企業への再提案など、関係性がある相手への連絡は今でも有効です。
問題は、まったく接点のない相手に対して、電話やメールだけで成果を出そうとすることです。
未接点の企業に対する営業は、どうしても効率が落ちやすくなります。
だからこそ、ネット上に情報を整備し、検索・広告・SNS・資料請求・相談フォームを組み合わせて、見込み客が自ら接点を持てる導線を作る必要があります。
テレアポは、こちらから相手を探しに行く営業です。
問い合わせフォーム営業やコールドメールも、手段が電話からメールに変わっただけで、基本的には同じアウトバウンド営業です。
人員と運用体制のある大手企業であれば、大量のリストに対して継続的にアプローチし、一定の反応を得ることができます。
しかし、人手が限られる中小企業が同じ方法を続けると、作業量に対して成果が見合わず、営業活動そのものが疲弊しやすくなります。
これから営業会社や商社が考えるべきことは、電話やメールを完全にやめることではありません。
必要なのは、アウトバウンド営業だけに依存しないことです。
こうした仕組みを整えることで、営業は「数を打つ活動」から「選ばれるための仕組み」へ変わります。
テレアポやメールフォーム営業で成果が出にくくなっている今こそ、自社を必要としている見込み客に見つけてもらうネット集客の仕組みづくりが重要です。