2026.06.04 COLUMN

国内外で活用される優れたオープンソースツール
第3回:社内版Dropboxとして使える「Nextcloud」とは

国内外で活用される優れたオープンソースツール 第3回:社内版Dropboxとして使える「Nextcloud」とは

※レオテクノロジーズ合同会社および獅子丸DXは、Nextcloudの販売元・開発元ではありません。Nextcloudの導入を検討される企業向けに、サーバー構築、インストール、初期設定、運用設計などの技術支援を行う立場です。

国内外で活用される優れたオープンソースツール
第3回:社内版Dropboxとして使える「Nextcloud」とは

企業で扱うデータは、年々増え続けています。

見積書、契約書、提案書、写真、動画、社内資料、顧客資料、マニュアル、議事録、請求書、申請書類。

こうしたファイルをどこに保存し、誰と共有し、どのように管理するかは、業務効率とセキュリティの両方に関わる重要なテーマです。

ファイル共有サービスとしては、Dropbox、Google Drive、OneDriveなどが広く使われています。

これらは非常に便利で、すぐに使い始められる点が大きなメリットです。

一方で、利用人数や保存容量が増えてくると、月額費用が大きくなったり、外部サービスに重要データを預けることへの不安が出たり、自社の運用ルールに合わせた細かな管理が難しくなったりすることがあります。

そのような場合に選択肢となるのが、オープンソースのファイル共有・コラボレーション基盤である「Nextcloud」です。

Nextcloudは、社内版Dropboxのようなファイル共有環境を、自社管理のサーバー上に構築できるOSSです。

ファイル共有だけでなく、カレンダー、連絡先、オンライン会議、共同編集などにも対応できるため、社内の情報共有基盤として活用できます。

Nextcloudとは

Nextcloudは、オープンソースで提供されているコンテンツコラボレーションプラットフォームです。

中心となる機能は、ファイルの保存、共有、同期です。

パソコン、スマートフォン、タブレットからファイルにアクセスでき、社内メンバーや外部取引先とファイルを共有したり、共有リンクを発行したり、アクセス権限を設定したりできます。

また、専用アプリを使うことで、パソコン上のフォルダとNextcloud上のファイルを同期することもできます。

この点だけを見ると、DropboxやGoogle Driveに近いサービスに見えるかもしれません。

しかしNextcloudの特徴は、自社でサーバー環境を用意し、自社の方針に合わせて運用できる点にあります。

単なるオンラインストレージではなく、カレンダー、連絡先、メール、タスク管理、チャット、ビデオ会議、オンラインOffice連携など、社内の情報共有に必要な機能を拡張できる基盤として活用できます。

既製品のクラウドサービスに窮屈さを感じたときの選択肢

Dropbox、Google Drive、OneDriveなどのクラウドサービスは、すぐに使える点で非常に便利です。

個人利用や小規模なチームであれば、導入も簡単で、管理負担も少なく済みます。

しかし、企業利用が進むにつれて、次のような課題が出てくることがあります。

  • 保存容量を増やすたびに費用が上がる
  • 利用人数が増えると月額費用が大きくなる
  • データの保存場所や管理方針を細かくコントロールしにくい
  • 自社独自の運用ルールに合わせにくい
  • 外部サービスの仕様変更に影響を受ける
  • 社内の重要データを完全に自社管理したい

Nextcloudは、このような課題に対して、自社管理型のクラウド環境を構築するための選択肢になります。

サーバー容量、保存場所、権限設定、バックアップ、利用者管理、セキュリティ設定などを、自社の方針に合わせて設計できます。

そのため、Nextcloudは「無料で使えるDropboxの代替」というより、「自社でコントロールできるファイル共有基盤」と考える方が適切です。

ITをブラックボックス化させないという価値

クラウドサービスは便利ですが、利用者側から見ると、サービスの内部構造は見えにくい部分があります。

データがどこに保存されているのか。
どのようにバックアップされているのか。
どこまで自社で管理できるのか。
仕様変更があった場合にどのような影響が出るのか。

こうした点は、企業の重要データを扱ううえで無視できません。

Nextcloudを自社で構築・運用する場合、IT環境を完全に外部サービス任せにせず、自社の管理下に置くことができます。

もちろん、サーバーやセキュリティに関する知識は必要になります。

しかし、自社のデータをどこに置くのか、誰がアクセスできるのか、どのようにバックアップするのか、どのくらいの容量を確保するのか、どの機能を拡張するのかを自社の判断で決められることは、大きな価値です。

Nextcloudでできる主なこと

Nextcloudでは、ファイル共有を中心に、さまざまな機能を利用できます。

基本機能としては、ファイルのアップロード、ダウンロード、同期、共有リンクの発行、ユーザー・グループごとの権限設定、ファイルのバージョン管理、コメント、外部共有などがあります。

これにより、社内メンバーだけでなく、取引先や外部パートナーとのファイル共有も行いやすくなります。

また、カレンダーや連絡先の管理にも対応しています。

Nextcloud Talkを使えば、チャット、音声通話、ビデオ会議にも対応できます。

Nextcloud OfficeやONLYOFFICEと連携すれば、ブラウザ上で文書、表計算、プレゼン資料を編集することもできます。

さらに、アプリを追加することで、タスク管理、メモ、写真管理、フォーム、ワークフローなど、用途に応じて機能を拡張できます。

このようにNextcloudは、単なるファイル置き場ではなく、社内のデジタルワークスペースとして活用できる可能性があります。

会議室や社用車の予約管理にも対応できる

獅子丸DXでは、Nextcloudをファイル共有だけでなく、社内の施設予約管理にも活用できるツールとして紹介しています。

たとえば、会議室、応接室、社用車、プロジェクター、撮影機材、備品などの予約管理です。

Nextcloudにはカレンダー機能があり、アプリやプラグインを組み合わせることで、施設や設備の予約管理にも対応できます。

ReserveRoomのようなプラグインを利用すれば、会議室や社用車などのリソース予約を管理しやすくなります。

紙の予約表やExcelで管理している場合、誰がいつ予約したのか、重複していないか、キャンセルされたのかが分かりにくくなることがあります。

Nextcloud上で予約情報をまとめれば、社内メンバーが同じ画面で予約状況を確認しやすくなります。

ただし、施設予約を運用する場合は、単に機能を入れるだけでは不十分です。

予約の重複をどう防ぐのか。
誰が予約できるのか。
承認が必要か。
キャンセル期限をどうするのか。
会議室や社用車をどの単位で管理するのか。

こうした運用ルールをあわせて決めることで、実際に使いやすい予約管理になります。

社内ファイルサーバーからの移行にも向いている

中小企業では、社内にファイルサーバーやNASを置いて、共有フォルダとして使っているケースがあります。

社内ネットワーク内だけで使う場合は、この方法でも十分に機能します。

しかし、テレワーク、外出先からのアクセス、スマートフォンでの確認、取引先とのファイル共有などが必要になると、従来型のファイルサーバーだけでは使いにくくなることがあります。

Nextcloudを導入すれば、ブラウザやアプリからファイルにアクセスできるため、社内外での利用がしやすくなります。

もちろん、外部からアクセスできるようにする場合は、セキュリティ設計が重要です。

HTTPS化、二要素認証、アクセス制限、ユーザー管理、バックアップ、ログ管理などを適切に行う必要があります。

そのうえで設計すれば、従来の社内ファイルサーバーよりも柔軟な情報共有環境を作ることができます。

保存容量と利用人数に応じた設計が必要

Nextcloudを導入する場合は、保存容量と利用人数に応じたサーバー設計が必要です。

数人で文書ファイルを共有するだけの場合と、数十人で写真や動画を頻繁に扱う場合では、必要なサーバースペックやストレージ容量が大きく変わります。

また、ファイル同期の頻度、外部共有の有無、バックアップの世代数、オンラインOfficeの利用、ビデオ会議の利用などによっても、必要な構成は変わります。

特に動画や高解像度の写真を多く扱う場合は、ストレージ容量だけでなく、通信量やバックアップ時間も考える必要があります。

そのため、Nextcloudは「とりあえず入れる」のではなく、どのくらいのデータを、何人で、どのように使うのかを確認したうえで構築することが重要です。

Nextcloudが向いている企業

Nextcloudは、次のような企業に向いています。

  • 社内版Dropboxのようなファイル共有環境を持ちたい企業
  • 外部クラウドサービスに重要データを預けることに不安がある企業
  • 保存容量や利用人数に応じて柔軟に環境を設計したい企業
  • 社内ファイルサーバーやNASをクラウド化したい企業
  • 取引先と安全にファイル共有したい企業
  • 会議室や社用車などの予約管理もまとめたい企業
  • IT環境を自社の管理下に置きたい企業
  • 将来的にカレンダー、チャット、オンライン会議、共同編集まで広げたい企業

一方で、サーバー管理をしたくない場合や、とにかくすぐに簡単に使いたい場合は、Dropbox、Google Drive、OneDriveなどの既製クラウドサービスの方が向いていることもあります。

Nextcloudは、自社管理、拡張性、データ管理の自由度を重視する企業に向いた選択肢です。

OSSだからこそ、導入支援と運用設計が重要

Nextcloudはオープンソースで利用できる一方、企業で安定して使うには運用設計が欠かせません。

サーバー構成、ストレージ容量、SSL設定、バックアップ、二要素認証、ユーザー権限、外部共有ルール、アップデート、障害時の復旧方法などを考える必要があります。

特にNextcloudは、社内の重要なファイルを扱う基盤になります。

そのため、単にインストールするだけではなく、長く安全に使える状態に整えることが重要です。

OSSはライセンス費用を抑えやすい反面、運用を軽視すると、管理が難しくなることがあります。

自由度が高いからこそ、最初の設計と継続的な保守が重要になります。

獅子丸DXでできること

獅子丸DXでは、NextcloudのようなOSSを、企業の目的に合わせて導入する支援を行います。

自社専用のファイル共有環境を作りたい。
DropboxやGoogle Driveの代替を検討したい。
社内の会議室や社用車の予約管理もまとめたい。
AWS上にNextcloudを構築したい。
保存容量や利用人数に応じた構成を相談したい。
バックアップやセキュリティまで含めて運用したい。

このような企業に対して、導入前の設計、インストール、初期設定、ユーザー管理、バックアップ設計、運用支援まで対応します。

Nextcloudは、単なるファイル共有ツールではなく、社内の情報共有基盤として育てていけるOSSです。

獅子丸DXでは、利用人数、保存容量、業務内容、セキュリティ要件に応じて、現実的な構成をご提案します。

まとめ

Nextcloudは、社内版Dropboxのように使えるオープンソースのファイル共有・コラボレーション基盤です。

ファイルの保存、同期、共有に加えて、カレンダー、連絡先、チャット、ビデオ会議、オンラインOffice、タスク管理などにも対応できます。

また、構成によっては会議室や社用車などの予約管理にも活用できます。

既製のクラウドサービスに対して、データ管理、保存容量、費用、権限管理、自社ルールへの対応などで窮屈さを感じている企業にとって、Nextcloudは有力な選択肢になります。

ただし、企業で利用する場合は、サーバー設計、セキュリティ、バックアップ、運用ルールをしっかり整える必要があります。

獅子丸DXでは、NextcloudをはじめとしたOSSの導入支援を通じて、企業のファイル共有、情報管理、業務効率化、DX推進をサポートします。

自社のデータを自社の方針で管理し、必要な機能を段階的に拡張していきたい企業は、Nextcloudの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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